ShiRaSe’s blog 元証券マンの雑記

20年の証券リテール営業を経験し、私見を雑記的に書き留めていきます。

日銀を打ち負かせるか①

6月14日にブルームバーグに「日銀が屈するまで日本国債をショートする」という記事が掲載された。ブルーベイアセットのCIOマーク・ダウディングの発言で、日銀のイールドカーブコントロールは維持不可能というものであった。 先週の日銀会合で大規模緩和継続…

欲しがり過ぎ、嫌がり過ぎる民意への危惧

参院選が公示された。各党の公約は総じて経済的対策が主眼になっている。ロシア、中国、北朝鮮と海を挟んで対峙する国土であるから外交・安全保障も重要な争点で、岸田総理の防衛費の対GDP2%への言及があった矢先でもあり関心は高いが、あくまで有権者の家計…

データセンターを国策に

ロシアのウクライナ侵攻で様々なリスクが顕在化したが最も恐ろしいのは社会インフラに直結した施設への攻撃ではないか。チェルノブイリへの攻撃は言うまでもないが、通信インフラが攻撃されるリスクも意識すべきである。 早期にウクライナ側がサイバー防衛、…

買い場は夏場か。

前週は各国中銀動向に投資家の注目が最も高まった週であったのは間違いない。直前の米国CPIが40年ぶりの想定外の数値を示しFRBは0.75%の利上げに踏み切った。0.75%の上げ幅は1994年11月以来27年ぶりである。パウエルFRB議長は景気の軟着陸とインフレ抑制に…

中国の強み

中国の強みはいくつもあるが複数の点においては、その成長を可能にした要素のいくつかは既に失われたといってもよいだろう。 一例を挙げると、膨大で安価な労働力は過去のものである。生活水準や労働スキルが向上したことによって賃金の上昇が大きく、後発の…

中国脅威論と愛国心

米国において中国脅威論が叫ばれて久しい。GDPや軍事、AIといった分野で遠くない未来に米国が凌駕されるというものである。それには説得力もあり現実的な脅威である部分も多々あるが、実際には政権に対する各省、業界団体のロビーイングによってもたらされ、…

南米のリチウム

リチウムはEVの主要部品であることから新時代における「白い黄金」とまで言われる。ロシアのウクライナ侵攻も相まって過去1年で5倍以上に値段が高騰した。 埋蔵量が一番多いのは南米で、生産量でも三分の一を占めている。チリ、アルゼンチン、ボリビアにまた…

電力不足に考える太陽光発電

資源高が長期化し電力需要が高まる夏、冬に安定供給が危ぶまれ、6日松野官房長官は記者会見で5年ぶりの「電力供給に関する検討会合」を開くと表明した。脱炭素という中長期的な転換が強いられる中でのエネルギー不足という難局に各国政府は立たされている…

仕組債の功罪

メディア媒体で仕組債の報道が増えている。様々な解説がなされているので詳しい商品性は割愛するが、仕組債というワードを頻繁に目にするようになった理由は明らかである。 運用が失敗し、苦情やトラブルが増えたから 銀行、証券会社、IFA等の販売が過度…

社風と人材

人材が人財と言われるようになって久しいが、本腰を入れて取り組む企業はそう多くはない。理由を推察するに、人的資本教育に明確な答えがないということに行き着く。今夏政府は人材投資に関する経営情報を開示するように企業へ求めるということであるが、非…

キャシー・ウッド(ARK)の功績

「ハイテクの女王」と言われ絶大な人気を博したキャシー・ウッド率いるARKが相当な苦境に立たされている。ブルームバーグが報じた6月1日までのデータによると、上場9本の運用資産額が年初から48%の減少し153億ドルとなった。投資家の資金引き揚げのみでな…

いよいよQT

5月4日のFOMCで22年ぶりの0.5%の利上げに踏み切った。6月、7月にも0.5%ずつの利上げが規定路線であり、3カ月で1.5%の利上げは記録が遡れる1982年以降最大の上げ幅となる。2カ月で1%の利上げは1989年以来33年ぶりとのことで、記録ずくめである。 景気を過熱さ…

電力不足に考える原発

島根県知事が中国電力島根原発2号機再稼働に同意すると表明した。 地方自治体の同意を得られた原発は14基となったが、国内で現状稼働しているのは4基のみであり、建設中の3機を除いた33基のほとんどは稼働していない状況である。 同意を得られた14基…

地熱発電の可能性

2022年6月2日日経に「インドネシア地熱発電拡充」という記事が掲載された。国営石油会社プルタミナが5000億円を投じ、出力を現在の倍にするとのこと。 背景にあるのは政府が掲げる、2060年までに温暖化ガス排出をゼロにするカーボンニュートラル政策で、当面…

新しい資本主義に見る、岸田政権

岸田総理の掲げる経済政策「新しい資本主義」の実行計画案が公表され、6月7日に閣議決定される。 総じて岸田総理は市場に嫌われているところがあり就任後の株価下落は岸田ショックとも揶揄されていたが、最近の政策や発言を見ると非常に勉強熱心で随時アップ…

新しい資本主義下でのベンチャー育成

政府より「新しい資本主義」実行計画案が公表された。その中に新興企業への支援、創業時の個人補償不要といった骨子が示され、今後、更なる環境整備がなされていくことを期待したいところです。 世界的な危機が起こると革新的な企業や技術が生まれると言われ…

リモートワークが問う経営理念

不安定で不確実な状況に直面した時こそ企業の本質が問われる。 コロナウィルス蔓延によって、抱えていた問題や企業経営に内包された課題が表面化したということでもあるだろう。 在宅社員の管理や指導、対外的なビジネス相手とのリレーションやステークスフ…

マイケル・バーリ(サイオン・アセット・マネジメント)の凄味。フォーム13Fより

昨秋からマーケットの波乱が続いている中でとりわけ異彩を放っているのがマイケル・バーリである。 2022.5.19日経朝刊記事「米機関投資家IT株に見切り」において久々に名前が登場してきた。大手機関投資家の四半期ごとの報告による開示「フォーム13F」にお…

自社株買いが底を示唆

相場に厳しめの論調が強いブルームバークから久々に明るいニュースが出た。企業経営者や幹部による自社株買いの動きが活発であるとのことである。 経営者が自社の株価を買うというのは、会社の価値が低く見積もられ株価が安いからに他ならない。記事によると…

グロース株の二極化

5月24日の日経記事で「東証グロース企業1~3月決算。DX、医療、最終損益改善」との報道があった。損益改善が顕著だったのは医療、悪化が顕著だったのはEC関連とのこと。 確かに上位、下位のランキングを見ると、上位はMRTやテックファーム、下位にはメル…

恐怖指数からみるスタグ。FRBはハト派に転ずるか

先週、NYダウが8週連続の下落となった、これは世界恐慌直後の1932年以来、90年ぶりの記録だとのこと。投資家の現金比率も2001年以来の水準になったとのことで、反発してもおかしくないという数字は増えてきている。EPS(1株益)の低下が想定されまだ…

値上げは悪か

注目されていた消費者物価指数が発表された。コアCPI前年同月比2.1%プラスとなり、日銀のスタンスに変化はなかった。 物価のニュースを見ると、各国中銀のインフレへの危機感と国内報道による「値上げ」の温度差が大きいように感じる。 昨今、企業の値上げ…

ドコモショップ700店閉店に見る、おもてなしからの脱却

インターネットでの契約手続きや端末の購入が増えているほか、ネットでしか契約できない格安プランahamoの契約数が伸びていること、オンラインでの接客が主体になっていくことを踏まえての決断とのことであるが、一番の決め手であり本音は「対面サポートの負…

外人投資家はどう動くか

サウジアラビアの政府系ファンドPIFが任天堂に出資をしたとの報道がありました。4100億円650万株。SWFであるPIF(パブリックインベストファンド)は予てからネクソン、コーエーテクモ、カプコン等日本のゲーム、エンタメ企業への投資を行っていることで知ら…

ジョブズの思い出

コロナ禍で圧倒的な存在感を示し、世の中になくてはならない会社になったアップル。 カリスマ経営者として逸話に事欠かないスティーブジョブズ。 キャリアの中で忘れえない経験をしたのは2008年前後ではなかったかと記憶してます。当時アップル日本法人は六…

決算発表の重要性~その決算は許されたのか

2022年3月期決算が出そろい、コロナショックからの立ち直りが順当であることが確認できた。しかし不確実性が極度に高まっている現在、企業が発表する業績予想に対する投資家の視線が高まっている。2023年3月期の着地を予想することが極めて困難であるからで…