ShiRaSe’s blog 元証券マンの雑記

20年の証券リテール営業を経験し、私見を雑記的に書き留めていきます。

経済の話題

デフォルト常連のアルゼンチン国債

アルゼンチン国債は過去幾度となくデフォルトを繰り返してきた。2020年までで9回と常連と言っていい。 9回目の2020年デフォルト時は650億ドルの外貨建て債の再編が行われ、最終的に額面に対して54.8%まで減免され、投資家の保有債券は半値近くになってしま…

変革が必要な日本社会

コロナによって明らかに社会構造が変わってきているが、日本全体が陥っているのは時代にそぐわない組織や慣習が温存された結果生じた機能不全状態ではないか。 コロナが発生しなかったとしても、以前からデジタル社会への対応、気候変動の問題や格差拡大によ…

ウクライナ侵攻から4か月

ロシアのウクライナ侵攻から4か月、様々な思惑が外れているが、地政学的なリスクとマーケットを分析したデータが多々公表されている。 ロシアルーブルの下落率は1998年のロシア危機時に80%(1997.7~2001.12)、2014年クリミア併合時48%(2014.7~2015.1)…

安倍首相の功績

どの業界でも営業に政治と宗教の話題はタブーである。証券業界でも政治的な立場を明確に打ち出すことはご法度であるが、客観的なデータをもとに「好ましいか好ましくないか」は存在する。政権支持率と外国人投資家の動向は相関性が高いことが指摘されていた…

日銀を打ち負かせるか②

ウィドウメーカーディールという証券用語がある、直訳すれば「未亡人を作る取引」。挑んでも毎回負けてしまうような取引のことを言う。それぞれの業界で使われるワードなので、オンラインゲームのキャラクターになっていたり、医療業界では心臓発作を引き起…

日銀を打ち負かせるか①

6月14日にブルームバーグに「日銀が屈するまで日本国債をショートする」という記事が掲載された。ブルーベイアセットのCIOマーク・ダウディングの発言で、日銀のイールドカーブコントロールは維持不可能というものであった。 先週の日銀会合で大規模緩和継続…

欲しがり過ぎ、嫌がり過ぎる民意への危惧

参院選が公示された。各党の公約は総じて経済的対策が主眼になっている。ロシア、中国、北朝鮮と海を挟んで対峙する国土であるから外交・安全保障も重要な争点で、岸田総理の防衛費の対GDP2%への言及があった矢先でもあり関心は高いが、あくまで有権者の家計…

中国の強み

中国の強みはいくつもあるが複数の点においては、その成長を可能にした要素のいくつかは既に失われたといってもよいだろう。 一例を挙げると、膨大で安価な労働力は過去のものである。生活水準や労働スキルが向上したことによって賃金の上昇が大きく、後発の…

いよいよQT

5月4日のFOMCで22年ぶりの0.5%の利上げに踏み切った。6月、7月にも0.5%ずつの利上げが規定路線であり、3カ月で1.5%の利上げは記録が遡れる1982年以降最大の上げ幅となる。2カ月で1%の利上げは1989年以来33年ぶりとのことで、記録ずくめである。 景気を過熱さ…

新しい資本主義に見る、岸田政権

岸田総理の掲げる経済政策「新しい資本主義」の実行計画案が公表され、6月7日に閣議決定される。 総じて岸田総理は市場に嫌われているところがあり就任後の株価下落は岸田ショックとも揶揄されていたが、最近の政策や発言を見ると非常に勉強熱心で随時アップ…

新しい資本主義下でのベンチャー育成

政府より「新しい資本主義」実行計画案が公表された。その中に新興企業への支援、創業時の個人補償不要といった骨子が示され、今後、更なる環境整備がなされていくことを期待したいところです。 世界的な危機が起こると革新的な企業や技術が生まれると言われ…

リモートワークが問う経営理念

不安定で不確実な状況に直面した時こそ企業の本質が問われる。 コロナウィルス蔓延によって、抱えていた問題や企業経営に内包された課題が表面化したということでもあるだろう。 在宅社員の管理や指導、対外的なビジネス相手とのリレーションやステークスフ…

恐怖指数からみるスタグ。FRBはハト派に転ずるか

先週、NYダウが8週連続の下落となった、これは世界恐慌直後の1932年以来、90年ぶりの記録だとのこと。投資家の現金比率も2001年以来の水準になったとのことで、反発してもおかしくないという数字は増えてきている。EPS(1株益)の低下が想定されまだ…

値上げは悪か

注目されていた消費者物価指数が発表された。コアCPI前年同月比2.1%プラスとなり、日銀のスタンスに変化はなかった。 物価のニュースを見ると、各国中銀のインフレへの危機感と国内報道による「値上げ」の温度差が大きいように感じる。 昨今、企業の値上げ…

ドコモショップ700店閉店に見る、おもてなしからの脱却

インターネットでの契約手続きや端末の購入が増えているほか、ネットでしか契約できない格安プランahamoの契約数が伸びていること、オンラインでの接客が主体になっていくことを踏まえての決断とのことであるが、一番の決め手であり本音は「対面サポートの負…