ShiRaSe’s blog 元証券マンの雑記

20年の証券リテール営業を経験し、私見を雑記的に書き留めていきます。

資産運用とは

相変わらず、新nisa、idecoの影響で資産運用への関心は高いですが、投資の本質が見失われているような印象があります。 楽して稼ぎたい、副業的に稼げないか、一発当てたい。そのような射幸性の延長に資産運用が位置付けられているような気がしています。 運…

仕組債の功罪3

ちばぎん証券に証券取引等監視委員会が金融庁が勧告。金融庁が改善命令。 案の定というニュースです。味をしめる、ひとつ覚えとはまさにこのこと。 現場の営業にも、経営層にも、高利益率の商品やサービスは麻薬です。 クレディスイスのCoCo債しかりです。 …

転職活動期、最終話

次の働き口を決めました。 やはり金融リテールです。1度嵌まった沼からは抜け出せませんでした。 色々と理由をつけて取引を強いるスキルは金融リテールでしか活かせないのかもしれません。 ハウスメーカー、保険会社等、引きは強かったですが、(個人営業)も…

転職活動記6

色々な企業の話を聞いて改めて思います。 大企業の魅力は安定性と看板です。充実した福利厚生、社会的信用。そこに求職者は安心を求めて殺到します。 将来を憂いて募集に申込む求職者、雇ってやるという上からスタンスで応じる安定を得た社員。マッチングと…

転職活動記5

部下の紹介で、外資系保険の話を聞いてきました。 明日から来てほしいと言われました。 リテールの経験、販売スキルは保険と相性が最高だとのことです。 ただ、やっぱり今までの人脈(担当顧客)がほしいんだなという本音が見えてしまいます。 公私の境目をし…

亡国のアベノミクス

英国の通貨安、国債、株価下落のトリプル安で、改めて市場のシビアでドライな側面を見せつけられた。 大規模な経済対策としての減税、インフレ対応策に対して、財源、裏付けがないことを理由にポンドが売り込まれ対ドル史上最安値まで沈んだ。当然のことなが…

株で儲かった人

itサービス、サブスク系決算。 売上上方修正 黒字化前倒し 過去最大の赤字 信用取組1倍以下。 翌日の株価は如何に動くか。 金利上昇局面だし、来週は米国it関連企業の決算もあるし売りかと思いきや暴騰。今日のマネーフォワードです。 今の相場ははっきりい…

転職活動記4 書類選考に応募してみた

落ちました。有名な資産運用の投信関連会社です。 証券リテール出身者ニーズがなかったです。 現場で全てを消耗してきた20年のキャリアは考慮されずです。 面接の機会すら無しで、チャンスは与えられませんでした。 fp、アナリストは取りましたが、本社での…

転職活動記3

担当のエージェントから山のように紹介がきて、スカウトメールも溢れるほど来るので、今は売り手市場なのは間違いないと思います。 ただ、自分のスキルと求められたスキルがマッチしてるかというと、かなりギャップがあります。 証券リテール営業一筋なのにI…

日本電産が急落

永守会長ならやりかねないな、さもありなん。と流したいニュースではありますが、業績とは関係がないトピックにこうも株価が反応してしまうと否が応にも注目を集めざるを得ません。 厳罰に処すべきなのか、飛ばしの記事に振り回されたのか、続報、確報がでな…

仕組債の功罪2

昨今、金融庁の仕組債への発言がより厳しくなっています。経済アナリスト山崎元氏は特に辛辣で、詐欺、悪徳商品と以前から厳しく糾弾されていますが、私の見解としては過去ブログに取り上げたように、投資家の運用手法と販売側の論理が一貫した根拠に基づく…

転職活動記2

ニーズがあるかはわかりませんが、なかなか経済、市況に私見を書く時間が取れないので、エッセー形式で独り言を書き留めていこうかと考えています。 転職にあたって、辞めていった部下、同僚、上司の話を聞いています。時間はたくさんあるので。 証券会社と…

転職活動記

証券マンを辞めて早半年。 有給消化分、企業年金脱退金、雇用保険の減りは想定以上に早いです。 年金、健保、住民税の支払い。 収入がなく、貯金を取り崩す恐怖は想像以上でした。 高齢のお客さまが仰っていた取り崩しの意味合いがようやく理解できました。 …

デフォルト常連のアルゼンチン国債

アルゼンチン国債は過去幾度となくデフォルトを繰り返してきた。2020年までで9回と常連と言っていい。 9回目の2020年デフォルト時は650億ドルの外貨建て債の再編が行われ、最終的に額面に対して54.8%まで減免され、投資家の保有債券は半値近くになってしま…

変革が必要な日本社会

コロナによって明らかに社会構造が変わってきているが、日本全体が陥っているのは時代にそぐわない組織や慣習が温存された結果生じた機能不全状態ではないか。 コロナが発生しなかったとしても、以前からデジタル社会への対応、気候変動の問題や格差拡大によ…

ウクライナ侵攻から4か月

ロシアのウクライナ侵攻から4か月、様々な思惑が外れているが、地政学的なリスクとマーケットを分析したデータが多々公表されている。 ロシアルーブルの下落率は1998年のロシア危機時に80%(1997.7~2001.12)、2014年クリミア併合時48%(2014.7~2015.1)…

VUCA下でのWTI

VUCAと言う略語が使われ始めて久しいが、各国が直面している現実はまさにVUCAそのものである。1年前にロシア侵攻を想像するのは困難であったし、半年前これほどの金利上昇が起こりマーケットが翻弄されているていると予測するも難しかった。 「Volatility(…

風力発電先進国への道

2021年末日本初の大規模開発ができる先行3海域の公募が行われ、三菱商事の総取りとなった。5つの企業連合が参加し、東北電力と組み2015年から地元との対話や事前調査で先行していたレノバが落選した。実現性より売電価格が決め手となった。三菱商事の独占に…

日本の教育と神童

7月8日日経朝刊に「ギフテッド封じる平等主義」という報道があった。 突出した能力を持つ「ギフテッド」への教育プログラムや土壌が日本で培われていないことへの危惧、科学技術分野など先端分野においての日本の出遅れにつながりかねないという内容で、記事…

宇宙開発

2007年グーグルが支援しXプライズが開催した月面探査レースが話題をさらい2018年に終了したが、この10年で宇宙ビジネスが本格的に動き始めた。 スペースXやバージンギャラクティックは宇宙旅行の可能性を大きく飛躍させ、新たな産業が誕生すると期待させるも…

ChageSPOT が体現する日本企業の成長戦略解

駅やコンビニ、街中で頻繁に見る機会が増えた「ChargeSPOT」。モバイルバッテリーのシェアリングサービスであるが、INFORICHという日本企業が展開しており、2018年4月からサービスを開始し、わずか1年で国内47都道府県に展開、現在25000台以上の設置がされて…

安倍首相の功績

どの業界でも営業に政治と宗教の話題はタブーである。証券業界でも政治的な立場を明確に打ち出すことはご法度であるが、客観的なデータをもとに「好ましいか好ましくないか」は存在する。政権支持率と外国人投資家の動向は相関性が高いことが指摘されていた…

言語AI

近年、各企業の問い合わせ窓口にAIが使われることが増えてきた。店舗、コールセンターが閉まっている深夜でも問い合わせることができ、電話口で待たされることもなく回答を得ることができる。現時点ではまだ高精度とは言えないが、省人化のメリットから導…

Googleのムーンショット

新しい資本主義が提唱され、国主導による成長戦略として技術やイノベーションへの支援や枠組整備が期待されるが、革新的な技術・サービスによってゲームチェンジャーとなるような気概を最終的に具現するのは1企業の役割である。大胆な計画ほどいつ黒字化が…

日中の不動産バブル

中国の不動産大手、世茂集団のデフォルトに陥ったとの報道があった。不動産不況が叫ばれる中で、これが中国経済崩壊の引き金という報道もある。2015年のチャイナショックやZTE、ファーウェイへの制裁が象徴する米中摩擦、2021年以降のIT株、教育株などの…

マルウェアのサブスク②

マルウェアが猛威を振るう中で、存在感を高めているのはイスラエルである。ITの中心はシリコンバレーであるが、それに深圳、イスラエルを加えた三大IT拠点になりつつある。シリコンバレーを目指す起業家が多いのは歴史がなす技であるが、近年では積極的に中…

マルウェアのサブスク①

マルウェアが猛威を振るっている。今年だけでもトヨタ、パナソニック、ブリヂストンが被害にあっている。直訳すれば悪意あるソフトウェアのことであり、ウィルス型、ワーム型、トロイの木馬型、スパイウェア型と多種多様なソフトウェアがあり日々進化してい…

核融合は実現するか

猛暑が続く中で電力不足が参院選に影響を与える影響が大きくなりそうである。論点は原発再稼働を認めるかどうか、もしくは原子力そのものをどう向き合うか。 小型原子炉など新技術の開発も各国で進むが、希望を含めて核融合について取り上げたい。 核融合は…

3Dプリンタの可能性

国内ゼネコン大手の大林組が国内初となる建築基準法に基づく国土交通大臣認定の実証棟の建築を3Dプリンタで始めた。鉄筋や鉄骨は使わず、すべての構造部材は3Dプリンタで製造する。利用によって工期短縮・人件費削減・難易度の高いデザインの実現等が期待…

東芝に見る、グローバル企業のスピード感

東芝の株主総会が開かれファンドの影響力が改めて意識された。非上場化を目指す動きと言われるが、ここに至るまでの二転三転がより事態を複雑にしている。東芝買収の提案やキオクシア上場延期、会社分割案といった重要議題が個人株主不在のような状況で進ん…